こだわりの「写真立て」
スマートフォンで写真を撮ることが当たり前になった生活の中で、アナログの写真を一枚だけ選び、そして飾る。そんな「写真立て」は単に飾るものではなく、現代の暮らしの中では特別な道具になっていると思います。
ものづくりにおいて大坂屋で大切にしていることはお客様に長く大切にお使い頂けるお品を届けることです。そのために耐久性を重要視しています。ちなみに、ここでいう耐久性とは、ある日突然写真立てが壊れたりするということではなく木が反ってしまったり、木が動いてしまって背板が入りにくくなったりと使うことができても残念な気持ちになってしまう、そんな状況にならないことであり、いつまでも変わらずに使って頂くことができる品質を心掛けています。
軽井沢彫りは無垢材を加工します。彫刻の工程でノミを打ったり、彫刻刀で木を削ります。この作業は木にとって捻じれや反りの原因になるので木の動きをよく理解した上で製品をつくることがポイントになってきます。
大坂屋ではLサイズの写真立てはサイズが小さく木の動きが少ないことから一枚の板から切抜いていますが、はがきサイズ以上の写真立てには下記の2点についてこだわっています。
・留め接ぎ(二つの材を直角に接合させるとき45度ずつにわけて接合させること)
・さね加工(二つの材に溝をつけて補強のための薄い板(さね)をいれること)
留め接ぎとは二つの材を直角に接合させるとき45度ずつにわけて接合させることです。写真立ては4本の木材を使用し、その両端、つまり計8か所で正確な留め切りが必要になります。一度の製作で100個単位で製作をするので合計800か所の作業があり、わずかでも誤差があれば綺麗に接合することができません。
さねを入れる作業は留め接ぎした部分に溝をつけて補強のための薄い板(さねやかんざしなどといいます)を入れます。このさねの厚みは薄すぎても厚すぎても強度が出ないため、一枚一枚厚みも確かめながら入れていきます。この後、余分なさねを切り落としていきます。
のりを入れた後、ゴムで固定をしていきます。
最後に留め接ぎした箇所に段差が無いか確認し鉋(かんな)をかけます。
職人は「小物とはいえ高価なものなので木材も妥協しないでいい木目をできるだけ使う。数も作るが一つ一つの品質が落ちないよう心掛ける」と話します。ここでの仕事や乾燥度合いが悪いと後になって接合部が離れて隙間(留めが切れる)が出来てしまうからです。
留め接ぎを行い、さねが入って強度と耐久性を確保した写真立てに仕上がります。ここまで手間をかけてようやく彫刻の工程に入っていきます。軽井沢彫りは彫刻が際立った商品ですが、実は彫刻前の木地の仕事が商品の性能を決める大事な役割でもあります。
こうして色んな職人によって手をかけた「写真立て」が自分で使うためだったり、大切な方への贈答品にお使い頂いたりとお客様の手にわたっていきます。
大坂屋が自信をもってお勧めする「写真立て」。どうぞお手にとってご覧ください。
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